融資でみられるポイントをご紹介!②
- furukawa61
- 2024年2月26日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年4月24日
こんにちは!港区南青山で経理代行/記帳代行&会計・資金調達コンサルティングを行っているMeguro Accounting&Consultingの古川です。
今回は前回に引き続き、金融機関が融資の際にどのようなことをチェックするかをお話していきたいと思います。
融資の判断基準
・昔の融資審査の判断基準
赤字企業、債務超過企業でも土地等の担保があれば審査は通りました。
経営者の個人資産、人物評価も融資の判断に大きな影響がありました。
昔は、「担保重視の融資」だったのです。
審査は窓口である支店であり、支店長の裁量の額も多くありました。
・現在の融資審査の判断基準
決算書の数値をコンピューターに入力した客観的な定量的判断で判断されます。
審査は支店とは別部門で行われ、企業の特殊事情の入る余地はほとんどありません。
借入金の返済原資である利益が出ているかどうかが重要で、
「収益性とキャッシュフローを重視した融資」といえます。
赤字の場合は融資を受けれないというわけではありませんが、赤字の理由と解決策が必要です。
また、創業融資の場合、10万円などの資本金でも起業はできますが、すぐに債務超過になってしまいがちのため、融資は受けられなくなっていきます。資本金も十分に用意する必要があるのです。
信用調査会社の重要性
多くの金融機関が、営業および融資の判断基準に信用調査会社の評価を使っています。
融資だけではなく、企業との取り引き審査の際にもこの評価は大きな影響を及ぼしているます。
調査会社の調査を軽視してはいないでしょうか。
帝国データバンク等からの調査依頼にも積極的に答えていくことが重要です。
金融機関が重視する指標
①預金対借入金比率
預金対借入金比率=預金÷借入金×100
借入金残高に対して、現金預金の残高がどれくらいあるかを測定する指標です。
目安は30%だといわれています。
②借入金対月商倍率
借入金÷(純売上高÷12)
これは借入金が月商の何倍あるのかを把握する指標です。
借入限度額を決めるのに使われる指標で、限度額の目安は月商の6倍といわれています。
あくまで新規取引の際の目安となるので、既に取引している場合は他の事情が考慮されます。
③債務償還年数
債務償還年数=借入金÷営業利益
借入金は利益から返済するという基本のもと、何年で借入金が返済できるかを考える数値です。
③インタレストガバレッジレシオ
インタレストガバレッジレシオ=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷支払利息
利息を支払うのに十分な利益を獲得できているかを判断します。
1.0を下回ってしまうと、利息の支払いのために十分な利益がでていないため、1.0を超えることが最低限の条件となります。
まとめ
現在の融資は、コンピューターによる定量的な評価が、審査に最も影響します。
定量的な評価に耐えられる決算書が重要です。
①2期連続で赤字でないこと
②債務超過でないこと
③税金の未納がないこと
これらは融資の最低限の条件となります。
決算書は税務署だけでなく、金融機関や信用調査会社にもみられるということを意識することが重要です。
中小規模の企業は税金を少なくするために利益を少なくするための対策を行っているというケースもあると思います。しかし、いざ融資を受けようとなった時に、金融機関はシビアに決算書を分析します。
過度な節税対策は、融資の判断に悪影響を与えてしまいます。

監修
目黒 夕紀子/税理士
公認会計士
米国公認会計士(USCPA)を取得後, 中央青山監査法人(現PWC監査法人)にて国内外企業の監査業務に従事。その後大手外資系企業において財務・国内及び・国際税務&レポーティング業務等を経験。後に大手消費財企業においてファイナンスコントローラーとしてファイナンス&プラニング、内部監査統制プロジェクトを担当
リーマンショックを機に目黒会計事務所に入所し公認会計士の勉強をスタート
目黒会計事務所では監査業務/会計/財務/税務/相続業務等幅広い分野で国内の中小企業をサポート
2016年公認会計士試験に合格し 公認会計士及び税理士として登録
現在に至る
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