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売上値引が利益に与える影響とは?

更新日:4月24日

こんにちは!港区南青山で経理代行&会計・資金調達コンサルティングを行っているMeguro Accounting&Consultingの古川です。

今回は販売促進の一環としての『値引』ついてお話できればと思います。

集客を増やしたいとき、在庫を処分したいときのマーケティング戦略の一つに値引セールがあります。

値引は、すぐに実施でき、購買意欲を掻き立てやすい戦略の一つですが、

利益率が大きく変わるため、値付けは慎重に行わないといけません。


値引と売上と利益の関係

売上が増えたにも関わらず利益はあまり増えなかったり、場合によっては減ってしまうこともありえます。

値引によって売上が増加しても、利益率が悪化してしまうため、売上が増えても思ったように利益は増えてくれません。



例えば、当初の売上高1億円、変動費6,000万円、固定費3,000万円、利益1,000万円というケースを想定します。

売上高:@10,000円×10,000個=1億円

変動費:@6,000円×10,000個=6,000万円

固定費:3,000万円

※変動費とは売上高の増減に合わせて増減する費用のことで売上原価等が該当します。

一方、固定費とは売上高の増減に係らず一定額が発生し続ける費用のことで、人件費や家賃などがこれにあたります。

この時、10%値引し、値引により20%販売数量増によって売上が増えたケースを考えてみます。

まず、10%の値引きをすると売上高は1億円→9,000万円となります。

変動費6,000万円、固定費3,000万円は両方とも変わらないので、利益は0円となります。

売上高:@9,000円×10,000個=9,000万円

変動費:@6,000円×10,000個=6,000万円

固定費:3,000万円

 

9,000万円-6,000万円(変動費)-3,000万円(固定費)=0円

 

次に、この値引により20%販売数量が増加すると、売上は当初より800万円増加します。

しかし、販売数量が増えると同時に変動費も増加します。固定費は変わりません。

 

売上高:@9,000円×12,000個=1億800万円

変動費:@6,000円×12,000個=7,200万円

固定費:3,000万円

 

1億800万円-7,200万円(変動費)-3,000万円(固定費)=600万円

 

結果的な利益は600万円と、当初の1千万円より400万円減少しました。

 

このように、10%の値引によって、20%販売数量が増加したとしても、元と同じ利益を確保が確保できていません。

このケースでは、元の利益を確保するためには約13,500個売る必要があります。

値引によって35%販売数量を伸ばして初めて、元の利益水準となるということです。

 

 

値引による販売促進で、売上だけでなく利益も増やすためには

①販売数量を大幅に伸ばす必要

②当初より多くの売上高を確保しなければ利益が追い付かない

ということを念頭に値付けを行わなければいけません。



まとめ

値引き販売は利益面に大きな影響を与えます。

一度値引してしまうと、消費者は値引に慣れ、期待値が高まることにより、元の価格に戻すのが難しくなってしまうこともあると思います。

しかし、現実問題としては「将来の大口取引が見込める」や「顧客から商品のフィードバックをもらいたい」など、広告宣伝効果を期待して、値引きしてでも販売せざるを得ないこともあると思います。

値引が利益に与える影響を入念にシミュレーションした上で考えることが大切です。



























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